金融機関が行うセール

金融機関などで融資をする際には、購入する不動産を担保にしているケースが多いものです。
本来であれば約束していた通りに返済しなければいけませんが、何らかの原因により返済が滞ってしまうケースが増えています。
リストラや勤務先の倒産など、それぞれのケースによってローンの返済が滞る原因が異なるものですが、債権を回収する見込みがないという結果になると不良債権になってしまい金融機関にとっては大きな損害になります。
損害となった不良債権を処理しようと思っても税務署では損金として認めてもらえない可能性が高く、金融機関にとっては踏んだり蹴ったりの状況になります。

そこで、不動産担保付きの不良債権をまとめて第三者の投資家に売却することで損金として処理できるようになって債権を回収できる可能性が高くなります。
バルクセールとは金融機関が不良債権をまとめ売りするバーゲンセールのようなものです。
このような不良債権を購入することは投資家にとってもリスクを伴う危険性は高いです。
不良債権だとわかっているので、せっかく投資したお金を回収できるとは限らないからです。

しかし、不良債権でも再生の見込みがある場合も高いことから、投資した価格以上のリターンが期待できる不良債権が存在していることも事実です。
思わぬお宝債権を発見することもあり、投資家にとっては大いに期待できる部分もあります。

参考:バルクセール

バルクセールの買い主とは

バルクセールに参加する買い主である投資家は自分で購入した不良債権を管理して回収するために動く方も存在していますが、やはり専門的な知識を持っている方でなければ難しい部分が多く、素人ではなかなか手を出しにくいものです。
債権管理を行うプロであるサービサーと呼ばれている債権回収会社に委託するという形で参加するケースもあります。
サービサーは法務大臣から許可されている正式な会社として発足しています。

サービサーとして認められる基準としては、資本金として5億円以上確保していることが前提になります。
少なくても多額の資金がなければサービサーを発足させることはできません。
また、従業員の中に暴力団が含まれていないことも条件になっています。
債権回収を行う業者には反社会的な団体が絡み、暴力的な回収を試みるケースが存在しており、法務大臣がそのような団体にお墨付きを与えるわけにはいきません。

厳しい条件をパスして債権回収業として認められたサービサーは、不良債権化して法律的な事件となった特定金銭債権の管理や回収を担当する営業を行えるようになります。
本来であれば法律的な事件になった問題については弁護士が取り扱うものですが、サービサーに特例として認められることになります。